むし歯の治療
むし歯の治療で大事なことは?
再治療のリスクを下げること
むし歯は、歯の病気の中でも多くの人たちが知っているものだと思います。そのため、意外と軽い病気に思われがちですし、治療も簡単なものだと思われがちです。
でも、実際にはそうではありません。慎重に治療をしないと、むし歯になる前よりもひどい状態にさせてしまうこともあるので、丁寧に治療することが求められます。
特に大事なことは、むし歯の患部をきれいに取り除くこと。万が一むし歯の取り残しがあったら、詰め物や被せ物の中でむし歯が大きくなってしまい、とんでもないことになります。
むし歯を残したくて残す歯医者さんなんて、もちろん誰ひとりとしていないわけですが、たとえ小さなむし歯でも患部をきれいに取り除く丁寧な治療を常に行う必要があります。
歯科医師にとっては、少しの気のゆるみも許されない、とても繊細な治療なのです。
治療した後のことも考えて…
歯の寿命が
できるだけ長くなるように
むし歯の治療でもうひとつ重要なことは、歯の寿命を考えた治療を行うことです。
むし歯が進行してしまって歯の神経(歯髄)まで到達してしまうと、歯の痛みで夜も眠れないような状態になってしまいます。また、原因となる歯に触れると飛び上がるほどの痛みを感じるため、神経を取り除かないとむし歯の治療ができません。
そのため、むし歯が神経まで到達してしまった場合には、やむを得ず神経を取り除く処置をしてから治療を行うことになります。ただ、歯の神経には、歯に栄養や水分を供給するという役割があるため、神経を取ってしまった歯はかなりもろくなってしまいます。
栄養や水分が供給されなくなった歯というのは、いわば枯れ木と同じような状態になっていますので、枯れ木のように歯が折れたり割れたりする「破折」のリスクが高くなります。もし破折をしてしまった場合には、歯を抜くしかなくなってしまいます。
このようなことを考えると、できるだけ歯の神経を取らずにむし歯の治療をしたほうが、歯の寿命を長くできる可能性が高くなります。ですから、当院ではできるだけ神経を取り除かなくて済むように、むし歯の治療を進めていくようにしています。
しっかり噛めることは当然です
自然な美しさも手に入れる
むし歯の治療では、むし歯の患部を削って取り除いた後に、削り取った部分に詰め物や被せ物を装着して歯の形態を回復する処置を行います。
歯は口の中に全部で28本(親知らずを含めると32本)ありますが、それぞれの歯には役割があり、その役割を果たすために必要な形をしています。そして、すべての歯がきちんとそろっていてそれぞれの役割を果たしているからこそ、しっかり噛むことができます。
ですから、むし歯治療の最後に装着する詰め物や被せ物の精度というのは、噛む力にかなり大きな影響を及ぼすわけです。特に、正しい嚙み合わせを取り戻すことができないと、お口の中の全体のバランスが崩れてしまって、思わぬトラブルを招くことになります。
また、歯はコミュニケーションのために重要な役割も果たしています。会話をするときには歯が見えますし、笑顔をつくるときにも歯が見えます。そのため、歯の色というのも、自分の印象を決定づける大きな要素になります。
詰め物や被せ物というのは、ただ装着すれば良いというものではありません。「しっかり噛める」ということが大前提で、さらに「見た目の自然な美しさ」も考えたうえで、最適な選択をして治療を行う必要があります。
治療よりも
大事なことがあります!
むし歯にならないように“予防”を
ここまで、むし歯の治療について大事なポイントを3つお話してきました。しかしながら、何度も何度も歯の治療を繰り返していると、歯はどんどん悪くなっていってしまいます。
中には、一度むし歯の治療をした歯はもうむし歯にはならないと誤解している人もいるようですが、実際はその逆です。一度むし歯になった場所というのは、そもそもセルフケア(歯みがき)が行き届いていない場所なので、他の部分よりもむし歯になるリスクが高いのです。
また、むし歯の治療で使う詰め物や被せ物とその土台となる自分の歯との継ぎ目には、どうしても小さなすき間ができてしまいます。実は、これがむし歯の原因となる細菌の格好の住みかになってしまいます。
ですから、むし歯の治療をした後ほど、もうむし歯を繰り返さないように「予防」に取り組むことが大事です。
そして、これまでのお話を読んでいただければ、本来はむし歯の治療なんてしないほうが良いということがよく分かったと思います。なので、そもそもむし歯にならないように、日頃から「予防」に取り組んでおくことが最も大事なことです。
※「予防」については、こちらのページもご覧ください。
むし歯治療も
“当たり前の結果”を
追求します!
1. 再治療のリスクを下げるように
むし歯の患部をきれいに取り除きます。
2. 歯の寿命が長くなるように
できるだけ神経を残すことを考えます。
3. むし歯にならないように
治療後のアフターケアも万全です。